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Channel: キョートット出版の »迫柳二 -
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父が倒れる

父がくも膜下出血で倒れました。それで、東京の実家に来ています。 17日の夜中、てつオから電話を受けたときは、ほぼ脳死状態で朝までもつかどうか、ということでした。 落ち着こうと台所で水を飲んでいると、上の方から、子ネコの鳴き声がしました。...

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(五月に。)

8月21日朝、父が永眠しました。78才でした。 最期はおだやかな顔でした。 去年、実家に帰った折、父がこんなのどうだい?と原稿用紙一枚持ってきました。 二十才ころ書いた詩だといいます。   (五月に。) 午前。 びょうびょうと野に霞たち 木立は淡く陽炎(かげろう)にもえて ―­­傷心の愁いはそこはかなと朧(おぼろ)げだった 昼。 土堤(つつみ)に幼児等(おさなごら) 転がり遊び 仔犬 ともに戯れて...

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父とキューポラ

ここの庭には小さな銀色のキューポラ(焼却炉)がある。 実家は2年前に、東京都青梅市勝沼へ引っ越した。ここは東京都の西の端、平らな関東平野が終わりここから山に入るという地点だ。奥多摩の山々へと連なる丘の斜面に家があり、崖っぷちのせまい庭に立つと向こうの丘が見える。 てつオと母と私で父の部屋の片づけをする。 母が空いたダンボールを焼いている。銀いろの煙突から青い細い煙が立ち上る。...

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父とパチンコ

父の書いていた「死の中」という小説の大筋は、 死を三日前にした男が大都会をさまよい歩き、ここなら誰にも知られまい、と考えて川の中に入っていくというものだ。 (そして、死に際して、今までの人生で出会った人々が現れ、彼らと対話にする、そこがたぶん一番のクライマックスになると思われる。) 見舞いに来てくれた父の古い友人は、その小説の構想をきいたとき、もう死ぬのになんで自殺するのかと思ったのだそうだ。...

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